Prologue Story 04 Jackpot

Side
リオン

その後もスロットにバカラ、シックボーとカジノでひととおり遊び、元の資金を数倍にしたところでカジノを出た。
今日は、調子がよかった。
それは体調もそうだし、ギャンブルの女神に微笑まれていたということもあった。
その中でもなによりの収穫は。
(アンダーボスのイソラ、ね)
スロットで隣に座っていた男たちが、世間話の延長で話していたのが、カレの話だった。
マナセ・イソラ。
この街を治めるオリゾンテファミリーのアンダーボスで、現ボスが就任したときにアンダーボスになるという異例の人事を果たしたらしい。街に融通を効かせている存在という意味で、ただでさえマフィアの存在が気にくわないのに。この異例の人事は裏になにかがあると直感した。
(相手がマフィアなら申し分ないし……次のターゲットはそいつにしようかな)
オレはその日のオヤツにチョコレートを選ぶような感覚で、次のターゲットをマナセ・イソラにすることを決めた。