【Short Story07】渚と宙のおるすばん

「じゃあ渚と宙は留守番しててくれるか? ちょっとこいつを送ってくる」
「はーい!」

さっきまで、写真部の人たちと一緒にお鍋を食べてたの。ぐつぐつのお鍋に、星波島で採れたご飯をたーくさん。
でもね、なっちゃんはお肉ばっかり食べるし、りーちゃんはあんまり食べないし、ゆーちゃんはお酒ばっかり。ちゃんと全部食べなきゃダメ! って言ったら、りーちゃん以外はちゃんと食べてくれたよ。
「なぎさ。かたづけ」
お兄ちゃんが返ってくるまでに、そらとお片付けをすることにしたの。

「今日はじめて来たりおん、口うるさいやつだった」
お皿をシンクに運びながら、そらは言ってた。前は背伸びをしないとシンクに届かなかったけど、もう小学二年生になったんだもん! ちゃんと届くよ。
「え~、そうかな? りーちゃんは、いろんないたずらを知ってるから、面白いよ? 今度りーちゃんと一緒に、なっちゃんにいたずらするんだ~」
「なちはなちで、いちいち構ってくるの、うざいし」
そんな流れで、さっきまでいた写真部の人たちの話になっていった。
「しょうちゃんは?」
「んー、ちょっとにがて。だけどいつか写真教えて欲しい」
「そうだね! しょうちゃんはきれいな写真、とるよね。じゃあゆーちゃんは?」
「ゆづきは……ちょっと苦手」
「何で? 何で?」
「……何でも」
あ、こうなった時のそらは、もう何も教えてくれない。
「ふーん……私は好きだけどなあ」
二人で一緒にやったから、あっという間にお皿は全部洗い終わって、後はお鍋を運ぶだけ。
そんな時にお姉ちゃんを送ってきたお兄ちゃんが帰ってきたみたい。
「ただいま~」
お片付けは途中だったけど、そらと一緒にお迎え。
わたしの大切で大好きなお兄ちゃん!
「お、片付けしててくれたのか。ありがとな」
お兄ちゃんの手が頭に乗って撫でてくれたから、わたしは元気よく答えた。
「おかえりなさい!」

テキスト:わくわく( @wakupaka